オーミー!フォーユー!

前回は織田信長公の居城であり、壮大な城址歴史遺産の安土城を探訪いたしました。
今回は、その信長公が築き上げた琵琶湖の水城ネットワーク、坂本城~安土城~長浜城の最後の拠点である大溝城跡を訪ねました。
ボートレースびわこの最寄り駅であるJR大津京駅から、運よく新快速に乗れれば約30分で到着する近江高島駅。
手前の近江舞子駅辺りからビーチリゾート風の景色と、のどかな湖畔の風景が広がります。
そして降り立った近江高島駅。
度肝を抜かれたのはホームに飾られたメルヘンチックなブロンズ像と駅前ロータリーにそびえ立つガリバー像です。

なぜここで、ガリバーなのと素朴な疑問にお答えいたしますと、
元々こちらの高島市にある奥高島青少年旅行村というレクリエーション施設が平成4年にガリバー青少年旅行村に名前を変え、
これにちなんでガリバー像が設置されたそうで、決してこちらの高島がガリバー旅行記の舞台になったわけではございません。

さて、琵琶湖の湖上ネットワーク、大溝城跡を目指しますが、意外にも駅から徒歩数分という近い距離でした。
高島市民病院の南東側の木立の中にそれはひっそりと姿を隠すようにして在りました。
戦国時代の高島郡と呼ばれるこの一帯は、京の都と越前・加賀の北陸諸国を結ぶ西近江路が通るだけでなく、
勝野津と呼ばれる琵琶湖の港あり、陸路と水路を併せ持った交通の要所だったのです。
戦略的にも琵琶湖の湖上交通網を必要とした織田信長公は、
この地を重要拠点としてとらえ、1578年に甥の織田信澄に命じ築城させたとあります。
ちなみに築城の縄張りは、大溝城の隣、坂本城を築城した明智光秀だとか。

現在では天守台の一部の遺構しか確認できませんが、琵琶湖の湖水と、
こちらの天守台跡の南東の乙女ヶ池の自然を利用した壮大な水城であったことがうかがえます。
大溝城跡から歩いて数分で広がる琵琶湖の景色。この対岸には長浜城や安土城がそびえていたのでしょうね。
そして乙女ヶ池です。
こちらは古く万葉の時代からその存在が記され、琵琶湖の入り江、あるいは内湖として山の麓まで広がっています。
大溝城はこの乙女ヶ池を外堀として縄張りしていたようですが、今ではバス釣りのスポットとして人気があるようです。

大溝城のご紹介は以上となりますが、この乙女ヶ池から田んぼの中の道を通り、琵琶湖の湖岸に沿ってさらに進んでいくと、
琵琶湖有数の名勝がございますので、こちらもご紹介いたします。
歩くこと約40分、車なら10分もかかりません。
熱中症の心配される時期は徒歩ではお勧めできませんが秋から冬にかけてはのんびり散策もいいかもわかりませんが、
湖岸の161号線に入ると車通りも多いのでご注意ください。
滋賀県内でも有数のパワースポット?としても有名で、
創建以来2000余年の歴史を持つ、近江最古の大社、白髭(しらひげ)神社です。

交通量の多い161号線沿いにすぐ鳥居があります。
そこをくぐって拝殿・本殿へと続き、さらに小さな鳥居の奥に、外宮・内宮が静かに佇んでいます。
山の上まで参道は続くようですが、山上には古墳群もあるとか。古代史に触れる貴重なスポットでもあります。

でも、この白髭神社の人気は何と言っても湖上に浮かぶ大鳥居。
“近江の厳島”とも呼ばれるこの風景見たさに、多くの観光客が訪れます。
ただ、昔は神社正面の鳥居から湖面に浮かぶ大鳥居まで、砂浜伝いに近づくことが出来たのですが、
今は鳥居と大鳥居の間を国道161号線が通り、交通量が多く横断歩道もない状態なので、
湖面の大鳥居を臨むにはかなり迂回して国道を横断しなければなりません。無理な横断は絶対に危険です!

しかし、苦労の末に横断して湖面ギリギリから大鳥居を臨めば、ご覧のように琵琶湖は澄み渡り、
厳島とはまた違った、静かで素朴な鳥居の神秘を、琵琶湖の波音を聞きながら感じ取ることができます。
まさしく近江のパワースポット、竹生島以来の感動です。日の出の時間帯や夕暮れ時の方が美しさも増すようなので、
ぜひ時間帯を考えて訪れてみてください。
ご覧いただきありがとうございました。
次回はまた湖北へ、浅井の地に足を延ばしてみようかと思います。

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