オーミー!フォーユー!

前回まではボートレースびわこから時間的にも距離的にも手軽に行ける歴史旅として坂本周辺をご紹介いたしましたが、
今回は少し足を延ばして湖北の地、北近江の入り口であり、羽柴秀吉公、
そして織田信長公ゆかりの地である戦国史の街、長浜をご紹介いたします。

ここまで来ると、この湖の雄大さが身に染みてわかります。
レース場から、ピットや水面際から見渡せる琵琶湖が、ほんの一部にすぎないことがあらためてわかります。
大津駅からJRで約1時間をかけてやって来ましたのは長浜。
この地は、北近江の戦国大名である浅井氏が滅び、そこでの戦功を信長公に認められた木下藤吉郎が、羽柴秀吉という名を与えられ、
なおかつ初めて城持ち大名として取り立てられ出世した、天下取りへの出発点ともいうべき土地なのです。

JR長浜駅を降りるともはや秀吉色、一色に染まる街であることがわかります。
秀吉公と石田三成の出会いをモチーフにした銅像や太閤殿下の肖像画壁画。
まさに戦国史の街という印象です。そして元来、今浜と呼ばれた地を長浜と改め、湖畔に築城した長浜城までは歩いて数分の距離です。
昭和58年(1983年)に再建された3層5階建ての天守閣は長浜城歴史博物館として使用されています。

1575年(天正3年)頃に築城されたとありますが、浅井氏の居城であった小谷城の資材も使用されていたそうです。
そして小谷城下の商家や民家もこちらに呼び寄せ城下町を造ったそうです。

本丸跡から眺める琵琶湖。方角は違えども眺めは坂本城址から見たものと同じで、琵琶湖の雄大な湖面を一望できます。
近江の国、琵琶湖の水路が当時の要衝であることが良くわかりますね。
秀吉公が、光秀公が、そしてその中間の地で信長公が睨みを利かせていたのでしょう。

歴史ある街、長浜。駅の東側は昔ながらの街並みが見られ、
土産物や名産品を売るお店が軒を連ねますが、そのはずれに佇むのが豊国神社。
豊臣家衰退の後に徳川家監視の目を欺きながら秀吉公の遺徳を偲んで町衆が建立したとされる神社です。
庶民の秀吉公人気を裏付けるものですね。

長浜市街地、そして長浜城を囲む豊(ほう)公園でくつろいだ後はさらに足を延ばして船旅を楽しみましょう。
北近江の観光には欠かせない琵琶湖八景のひとつでありパワースポットであり貴重な歴史遺産でもある竹生島観光です。
公園から歩いてほんの数分の長浜港から連絡船に乗船。平日でも1日5便が運航されていて、約30分で船旅で竹生島港に到着です。
連絡船からは伊吹山を始め北近江の山々を正面に見渡せますし、対岸の湖西の山々も一望できます。
琵琶湖の雄大さを体感できる手軽なクルーズといえますね。

長浜から沖合に6㎞の船から距離で、約30分。周囲約2㎞の島ですが、船から見た竹生島はまるで琵琶湖の浮かぶ小さな山のようです。
まさに“伝説とパワースポットの島”、船着場から山を見上げてまず目に入るのは、
724年に高僧、行基によって創建された宝厳寺(ほうごんじ)です。
中腹にある本堂の弁財天堂、三重塔などの山の斜面に並ぶ伽藍の数々。

ここは幸せ願いダルマとして、赤色の小さいダルマの中に自身で紙に願い事を書いたものを収め、
本堂に奉納すると願い事が叶うという願掛けが有名です。

港から本堂までは急斜面に作られた165段の、結構、体力・気力の要る石段を登り切らなければなりませんが、
是非ともお参りください。

ダルマの奉納を済ませ三重塔下の石段を下りると、そこにはまた戦国時代の遺構が並びます。
秀吉公が築城した大坂城内の極楽橋の一部とされる壮麗な色彩の唐門。これは国宝に指定されています。
その唐門を仰いで入る観音堂。さらに秀吉公の御座船“日本丸”に使用された檜を柱に利用して建造されたといわれる舟廊下。
限られた土地に所狭しと並び、湖に浮かぶ仏閣は神秘の魅力を堪能するに十分なパワースポットでございました。

秀吉公の出世城、出世郷たる長浜を巡り、さらに琵琶湖に浮かぶ大小四つの島のうちの神秘と歴史の島、竹生島をご紹介しました。
湖北の地に足を延ばして、改めて琵琶湖という湖の存在が、古代からの日本に、
そして日本人の生活に、とてつもなく大切な恵みであったこと、あり続けていることを思い知らされました。

さて次回は坂本、長浜と巡ったところで、やはりその中心をなすべき存在である織田信長公にまつわる地を訪れたいと思います。

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